PVP(前立腺レーザー蒸散術)
Photoselective Vaporization of the Prostate
PVPは欧米を中心にその効果が実証されている最新手術法で、国内では2例目に導入され現在までの症例も豊富です。
患者さんの負担も軽く画期的な手術法として注目されています。
PVP(前立腺レーザー蒸散術)
PVPによる手術前・後
PVP(前立腺レーザー蒸散術)とは?
当院では、国内で2番目に米国レーザースコープ社のKTPレーザーを新しく導入、前立腺肥大症に対するPVP(Photoselective Vaporization of the Prostate)経尿道的前立レーザー蒸散術の手術を始めました。
令和4年までに2,500例以上の治療経験があります。
PVPは今までとは全く違った性質を持つ内視鏡手術で、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンを熱することで組織を蒸散させるという優れた利点があります。患者さんへの負担が最小限度ですむ画期的な手術方法として注目されています。
2011年には120wとパワーアップした第2世代の機種を導入。2019年にはさらに180wにパワーアップした第3世代機種(XPS)を導入しました。これは安全性はそのままに治療効果を高めた機種になります。欧米、韓国などでは広く普及しており、その優れた効果は世界的に実証されています。
当院では10年以上の治療実績があり、多数の経験に基づく治療が可能です。
新しいPVP・XPSについて
従来の出力120wが180wとなり総照射エネルギー量も40万ジュールから65万ジュールに増えました。これによりとても大きな前立腺肥大症も十分な蒸散量(体積の減少)を得ることができます。
蒸散スピードもアップし、手術時間も短縮しました。出力の増大は出血しやすくするのではなく、逆に出血量は減少し、安全性はより向上しています。レーザー深速度も従来と同等であり、パワーアップにより低侵襲性を犠牲にすることなく、治療効果を増大させたのがこのXPSです。
PVPの特徴について
①術中の合併症や出血が少なく、大きな前立腺でも輸血は不要です。手術後の腫れ・痛みがほとんどないため、手術直後から良好な排尿が期待できます。
②心臓・脳などに持病をお持ちの方、血液をサラサラにする薬をのまれている方にも行うことができます。
③手術翌日に尿道カテーテルを抜去できます(欧米では30%の方がカテーテル不要とのデータがあります)。
④手術を受けても男性機能への影響(いわゆるインポテンツ)はほとんどありません(当院症例より)。
前立腺肥大症の治療について
前立腺肥大症の治療には、大きくわけて内服療法と手術療法があります。
内服療法は高血圧症と同様に長期に服用し続ける必要があり、年月が経つと効果がなくなることもあります。
手術療法は内視鏡の先についた電気メスで前立腺肥大部を削り取る治療法(IURP)が、現在最も一般的な手術法です。入院期間は7日〜10日間程度必要です。
TURPをさらに低侵製にしたものがPVPです。PVPは3泊4日で行い、欧米では、その効果・安全性・治療実績等が証明されています。
保険診療が認められているため、保険適応で受けていただくことができます。
なお、PVPは前立腺肥大症に対する手術です。前立腺がんの疑いの強い方、あるいは前立腺がんと診断された方はお受けになることができませんのでご了承ください。
動画でご説明いたします
前立腺肥大症の新しい医療法について動画で分かりやすくご説明・紹介いたします。